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>>1 > 去年の夏に、電動自転車でメール便を配達してまわるバイトを始めた。 それ以来、零感のはずの私が幾つか不思議なことに出会している。 大体どれもささやかな体験なのだが、今のところで一番怖いと感じたのが、今からする話だ。 担当から外れたため現在はもう配達に行っていない神宮前○丁目が舞台である。 とあるアパートの102号室のポストには、元々表札がなかった。 集合住宅の場合表札がなければ部屋番号を確認して投函していいルールなので、住所と部屋番だけ間違いのないよう気を付けて配達していたわけだが、どうもその部屋には神田さんと相原さんというふたりの人間が同居しているようだった。 どちら宛の商材も、定期的に届くのだ。 勿論ふたりとも仮名である。 下の名前を見るに、神田さんは男性で相原さんは女性だろうなと漠然と思っていた。 ある時、ポストに表札が出ていた。 名前シールにマジックで「神田」と書いて貼っただけのものである。相原の表記はない。 丁度私が持っていたのは相原さん宛のメール便だったが、ポストに神田と書いてある以上、相原さん宛のものは表札違いであり、返品対象である。 配達できなくてもクレームに繋がらない商材だったこともあって、その日は持ち帰ることにした。 それに、今まで無記名だったポストに名前が表示されるのは、新しい住人が越してきた時か、そうでなければ前の居住者宛の郵便が未だに届いていて、誤配にいい加減うんざりした時…という勝手な印象だった。 今までは誤配されても放置していただけで、もうとっくに相原さんはこの102号室を去っていたのかもしれない。
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