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>>21 > 十目:遊園地 特に奇妙ではない話だけど、書きたかった話。 小さい頃、母が病院に行っている間、祖父が遊園地に連れて行ってくれた。 「回数券がなくなったから、そこで待ってて」 と言われ楽しげな音楽が流れて回るメリーゴーランドを見ていた。前に虫取りをして祖父と兄から離れた話を書いた通り、残念な頭の子供だった(今も割と変わらない) メリーゴーランドに飽きて、違う物を見ようと後ろを振り返った。さっきまで「キャーキャー」という声を乗せていたジェットコースターは動いてなく、つまらなくなりメリーゴーランドを見た。 さっきまで楽しげな音楽をしていたのも消えて係員も消えた。 周りを見渡すとさっきまで行き来していた人達が消えていた。怖くなり回数券を売っている建物に走った。やはり周りは誰もいない。 焦りから泣きそうになっていると、向こうから若いお兄さんの二人組が歩いていた。 必死になり「迷子になりました!」と言うと、一人が「連れて行ってあげる」と言った。もう一人は黙って肩車をしてくれた。 父よりも高い身長で非常に興奮した。肩車してくれた人じゃない方は、肩に乗せた私の足をくすぐって遊んでいた。 ここまでどうやって来たの?と言われ説明をした。 「親御さんから離れちゃ駄目だよ」と言われているうちに、広場で祖父や母父と兄を見つけた。勿論、怒られた。 あとは肩車をしてくれた人から離れたくないと駄々をこねたらしい。足をくすぐって遊んでいた人とは早く離れたがった辺りが笑い話である。 ここで奇妙な話を取って作った話のように入れると、二人は双子のようにそっくりで皆で二人組を見送っているとやけに強い風が吹いた。少ししか時間は立っていない筈なのに、二人組は消えて居なくなってしまったそうだ。 ただ、やはり残念な私が出て来る「お兄さんありがとー!ねえ、お母さんお兄さん達まだ手を振ってくれてるよ!」皆にはお兄さん達は既に見えて居なかったというのに。 十目終わり
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