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>>7 > 俺とBは心霊スポット探検などを趣味としているから、 怪異との遭遇はそれほど珍しいものではない。 Aさんは俺達から話を聞いただけで一度も怪異と遭遇したことはなかった。 だから、念仏や足音…鈴の音を聞いても半信半疑だろうと思っていたのだが… 真顔で提案してきた。 Bが言った『生きてるヤツじゃない』ことを肌と直感で理解したようだ。 俺とB、Aさんは手分けして…持てる塩を全て使い… テントの四隅やらカンテラの笠の上にまで塩を盛る。 テントの床は毀れた塩でべたべたになった。 外のアレが中に入ってくるのを阻めるか… なめくじ相手にならパーフェクトな布陣であること間違いなしなのだがな。 あと出来るのは…残った清酒を撒くか…祝詞を唱えるか… ついに、足音は俺達のすぐ前までやってきた。 AさんとBがもっとテントの中心へ寄ろうと身体を押してくる。 薄いテント生地のすぐ向こう…何者かがいる気配がビンビン伝わってきた。 地の底から搾り出されるように唱えられる念仏… 寝袋を首まで引き寄せ身を固くして身構える。 念仏と足音が、ぴたりと…俺たちがいるテントの前で止まった。 雨音さえ消える静寂…全身の毛が逆立つ。 あまりの恐怖で悲鳴さえ出すことができない。 「…………………………」 「…………………………」 「…………………………」 外にいる奴等はテント生地を通して中を窺っているようだ。 刺すような視線を感じる… 時間にしてどれくらいだったろうか…十秒…一分… 鈴が鳴った。
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