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>>2 > 喉の渇きを覚え、俺はベッドから出ようとした。 その時、短い廊下へ出るドアが開いていることに気がつく。 淡い燐光に包まれた一糸纏わぬ一人の女性が立っていることに気づく。 まだ、俺は夢の続きを見ているのだろうか… 浮かぶべき恐怖がまるで湧き上がってこない。 女性は項垂れ、髪に隠れて顔は見えない… 僅かに垂れた大きめの乳房、二の腕に腰に太ももに肉がつき、 だらしない印象を受ける体形…赤く下腹部に走る帝王切開の痕。 なぜか俺はそこに彼女を見た気がして… 痛みを覚えるほど冷えた床。 近づく俺に気がつき、女性が顔を上げた。 淡い光に包まれた相貌が明らかになる。 悲鳴をあげそうになった。 閉じた両の瞼に太い釘が刺さっている。 頬から首、肩へ流れたような黒い染み…両耳が削ぎ落されたように無く、 引き結ばれた口が太い糸で縫われていた。 唇からはみ出した片八重歯… 「その女性(ひと)に触っちゃだめ!」 背後から鋭い声が俺に飛んだ。 いつの間にか起きていた明里のものだった。 しかし、これは…変わり果てているとはいえ、これは彼女だ。 彼女に違いない… それに触れるなと明里の言葉… 目も耳も口も塞がれた顔で、気配で誰かを探すような素振りをみせる彼女… 抱きしめられる距離にいるというのに… 「それに触れては…行ってはだめ!」 戸惑っている間に彼女は淡い光の中で形を崩し、 消えてしまった。
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