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>>24 > やあロビンミッシェルだ。 皆の熱い要望で、 こちらに投下させていただくよ。 今回の怪談は別段怖くはないが、 身違に起こりえる不思議な奇談なので読んでみてくれ。 【勇者マモル】 夜中尿意を覚えて一階のトイレで用を足していた刹那、愛犬のマモルが普段出さない低い唸り声をあげていた。 マモルがいるリビングの窓際まで様子を見に行くと、裏の勝手口の辺りからヒソヒソと話し声がしていた。 耳をダンボーにしてよく聞いてみると、それは日本語ではなかった。 話し声、気配からして最低三人の外国人が人ん家の庭で何やら話しこんでいるようだ。 俺はそ〜っと最強の親父の部屋から日本刀を拝借してきた。 本物かどうか確かめようと刃先を軽く指に当てたらスパッと切れた。 「親父…マジのやつかよ…」 すると勝手口の方から、カチャカチャとノブを回す音がした。 入ってきた瞬間ぶった斬るか、いきなり電気をつけて脅かしてやるか、どっちがいいかなー? なんて考えていると背後から… 『斬っちゃダメだよ、斬っちゃ… 何考えてんだよ。相変わらず馬鹿だな!お前は…』と声がした。 ハッとして振り返るとマモルがちょこんとお座りして、ハッハハッハ言いながら俺を見ている。 ロ「い、今喋ったのお前か?」 しかしマモルはクイっと頭を傾げるだけで返事をしない。 ロ「お、お前ってたまに喋るけどなんなんだよ一体…?」 その時、カチャンと鍵の回る音がした。 表ではよく解らん早口な英語? で、テンションが上がっているのか先程より若干大きめの声がしている。 ロ「…ふん、泥棒野郎が。 ドアを開けた瞬間真っ二つにしてやんぜ!」 …しかし… いつまで待ってもドアは開かない。 ロ「おかしいな、気づかれたか?」 そういえばさっきまでの話し声もいつの間にか無くなっている。 流石の俺も若干の恐怖を覚えながら勝手口のドアをそっと開けてみた。 誰もいない… それもそうだ。 よく考えてみると、そこに人がいる筈が無い。 幅1m程の通路には大きな物置と花壇が道を塞いでいる為、家の中からしか裏口へは行けない様になっている、そこに人が入り込む事は先ずあり得ないのだ。 それに気づいた瞬間、ぞくっと悪漢が走り急に身体が動かなくなった。 ロ「…う…ぎぎ…ぎ…!」 『ヒャーハハハハ!』 突然暗闇の中に白い歯が浮かんだ。 『ヒャーハハハ!ユーサムライ?』 よくクラブで見かける様なガタイのゴツい黒人野郎が三人、俺を小馬鹿にしながら家に上がってきた。 ロ「…や、野郎!…ぎぎ…」 俺を素通りした三人は、よく分からない会話をしながら家の中へと消えていった。 声がなくなると、弾かれるように金縛りが解け俺はその場にへたり込んでしまった。 全速力で走った後の様な疲労感があり、立ち上がる事が出来ない。 二階には母親と妹達が寝ている。 ロ「…ち、畜生…あいつら何をする気だ…」 俺は腕の力だけで、廊下をズルズルと這いながら暗い階段の方へと急いだ。 すると、玄関の方からボソボソと話し声が聞こえてきた。 …マモルだ… この声は間違いなくさっき聞いたマモルの声だ。 そして黒人達の声に混じって聞こえてくるその声は英語だった。 ロ「あ、あいつ一体何者なんだ⁈」 ボソボソと四人の話し声が数分間続いた。 俺はその間動かない身体で必死に這いづり、やっと玄関が見える所まで移動した所で信じられない光景を目の当たりにした。 なんと、愛犬マモルが青白い光を放ちながら宙に浮いていたのだ。 そして、まるで人間の様に身振り手振りを使いながら黒人達と意思の疎通を交わしている。 黒人達の姿は闇に溶けていたが、時折見せる白い歯がその存在を明らかなものにしていた。 ロ「…ま、ま、もる!」 俺の力無い声に一斉にこちらを振り返った四人?の顔を見ながら俺は意識を失い、気付けばいつもと変わらない朝だった。 玄関付近で寝ていた俺に悪態をついた妹達に昨日見た出来事を話すと、ゴミを見る様な目で素無視された。 しかし俺はこの時思った。 マモルはただ者では無い… あいつが俺達家族を守ってくれた。 …マモルだけに… いつもの様にフガフガ言いながら朝飯をがっつくマモルの背中を見ながら、「ありがとう…」 と心の中で呟いた事は言うまでも無いだろう。 悪魔を祓う犬種 パグ犬 マモルが生きてる限り、 我が家は平和に違いない… 【了】
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