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>>6 > ハンドルを握り絞め忘我の境地で連絡通路を見上げる俺の右側… 運転席側の窓を叩かれた。 我に返る 危なかった。 あの異様な光景に魅入られていた。 完全にあの雰囲気に呑まれていた。 見てみれば、バイクに跨ったままの見知らぬライダースーツ姿の男が ヘルメットのバイザーを開けて何か叫んでいる。 必死な様子に、雨が入るのも構わず窓を開けた。 「あ、あれ!あれ見たか!?なんだあれは!?」 誰にも見えるものなのか? 「わからん!だが、俺達にもちゃんとあれが見えている!」 「船の中で何かイベントがあるとか俺は聞いてないぞ!?」 「いや!あれはそんなモノじゃない!!」 雨風の音で掻き消されないようにライダーに向かって俺は怒鳴って返す。 「毎年、盆のフェリーで海を渡っているのに…こんなことははじめてだ!」 ライダーは今年の渡航は諦めたと叫んでバイクの向きを変え、 逃げるようにして去っていった。 遠ざかっていくバイク…ライダーの背に向け溜息ひとつ… 彼が話しかけてくれたお陰で 自ら生み出し育て増殖させた恐怖から逃れることができた。 怖いと思う気持ちは自分が作り出すものだ。 それを克服して勇気に変えて、 幽霊が度々目撃されるという廃墟、廃屋、自殺の名所、殺人現場へ 嬉々として向かうのが 俺達が趣味としている心霊スポット探検だ。 今…目撃したのは少々、 レベルが斜め上だったがな 「さて、俺達はどうする?」
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