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>>1 > 続き 食卓には美味しそうな料理が用意されている。 外からは三線の賑やかな音色。 ムード満点だ。 しかし他の人には聞こえないが、残念な事に僕には『ンギー』の不快な鳴き声が聞こえる。 『ンギー』の精一杯の意地悪なのだろう。 綾の料理は最高に美味い。 いらない情報だが、自慢しておく。 食べながら他愛の無い話をしていると、綾が急に真面目な顔になった。 「大事な話があるの…」 僕は数少ない恋愛経験から、この重たい雰囲気は別れ話だと推測した。 「何?」平静を装い返事をした。 長い沈黙の後「あのね… #*§◇が、できたんだ…」 「へ?」 よく聞こえなかったけど、何かができたんだよね? 別れ話だとばかり思っていた僕は【好きな人ができた】 だと思った。 「分かった 潔く身を引くよ…」 「? 何言ってんの 身を引くって?」 「え? あれ 好きな人ができたんじゃ‥?」 「バカ! できたのは赤ちゃん!」 「エーーーッ!!」 とんだ勘違いだ(汗) 僕は別れ話じゃなかったのと赤ちゃんができたダブルの喜びをもらった。 「やったー!! マジで!! マジで!!」 「うん ちゃんと病院で検査したよ」 時期的にハーリーの時に大当たりしたみたいだ。 綾は、この島で暮らすのを希望している。 勿論OKだ。 賃金は安いが物価も安い。 なんとかなるだろう。 これから忙しくなりそうだ。 三線の音がさっきより近くになっている。 楽しげな唄も聞こえてくる。 まるで二人を祝福してくれているようだ。 「今日って何かの日?」 綾に聞かれて思いだした。 今日は『アンガマー』だ。 『アンガマー』とは、この地方の旧盆で、ウシュマイ(翁)とンミー(姥)がグソー(あの世)から、ファーマー(子孫)ん連れてやってくる行事だ。 内容はウシュマイとンミーの面をつけ、その後ろを花笠をかぶり布で顔を完全に隠したファーマーが唄い踊り練り歩く。 うろ覚えだが、そんな感じだったと思う。 一見不気味だが、面白い行事だ。 近くだし、僕らは見学に行く事にした。 続く
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