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>>15 > 僕は駆け寄り『ンギー』を抱きかかえた。 頭の中に何かが聞こえてくる。 言葉ではないが、はっきりと意志が伝わってくる。 『ンギー』だ。 『ンギー』の心の声だ。 「あぁ‥そうか良かったな『ンギー』」 今 僕は『ンギー』と会話している。 とっても長い会話だった。 時間にしたら数分だろう。 でも僕達は圧縮された時間の中、何年もの会話を交わした。 これでもう おわかれだね 『ンギー』の身体から傷が消えていく。 全ての傷が消えると 今までで一番凛々しい姿を見せてくれた。 僕は涙が止まらない。 Bさんがキツく手をにぎってくれる。 『ンギー』は、その凛々しい姿のままゆっくりと薄くなり そして 消えた。 君の勇姿は僕の心にしっかりと焼き付けたよ。 『ンギー』との会話で分かった。 兼久オバーの話は最後が少し違っていたんだ。 『ンギー』は按司の娘を助ける事ができなかった。 娘はマジャンガーに身を投げ亡くっていたんだ。 『ンギー』もそこで追っ手に切り刻まれ死んだ。 いつしか『ンギー』は妖怪になり屋敷に住み着いていた。 どうして妖怪になったのか 何故ここにいるのかも解らずに。 今日 Bさんに会い思い出したんだ。 自分は按司の娘のマブイ(魂)を屋敷に連れて帰る為に妖怪になった事。 紅型の女性は按司の娘だったんだね。 『ンギー』は想いを遂げて天国に行ったんだね。 僕は『ンギー』に使命を果たせる為に屋敷に呼ばれたんじゃないかと思う。 Bさんも役割を持たされヤイマを訪れたんだと思う。 寂しいけど『ンギー』にとって一番良い結果だったんだ。 『ンギー』が居なくなった屋敷はガランとして何とも寂しい‥ いや不気味だ。 よくこんなとこに住んでたんもんだ。 よく見るとそこら彼処に妖怪がいる。 Bさんも今気づいた。 僕達は慌てて屋敷から逃げようとした。
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