投稿記事
【自殺を図った友人の部屋から日記が見つかり、その内容に驚愕したんだが】 この話はまことしやかにオドロオドロしくもあり、容易に納得できる類いのものではないというのが私の率直な感想なのだが、良かったら目を通して欲しい。 そしてこれは絡んだ糸の紐が解けるように突然思い出した記憶の話の内容で、忘れない内に急いで文章におこしている為か文章に若干の乱れと違和感と嫌悪感を覚える形になってしまうかも知れないが、そこもご了承頂きたい。 それは今から8年程前の昔の、春の風が心地よい春先の、午後のお昼過ぎの2時頃の春の事だったように記憶している。 不意に私のガラケーの携帯電話に幼稚園時代の子供の頃から幼馴染みである、Y.猛から、五年ぶりぐらいに連絡があった。 実名なので、申し訳ないが吉田をYと伏せさせて頂きたい。 まず最初に感じた違和感の感じが私を唖然とさせた。8和音の着信メロディーが18和音に変わっている事も不可思議だが、その奏で方がまるで滑稽なのだ。 そう、それはまるで壊れかけのレディオのように途切れ途切れで、音量も上がったり下がったりの繰り返しで全く要領を得ない。 不審に思い感じながらも、懐かしいY.猛の声を早く聞きたいという一心から、私は通話スイッチのボタンを押した。 「ガ、ガガ、ねえ、ガガ、ロビンく…ガガ、ザザ、ザザザザ、僕、もうダメ…ガ、ガガガガガ」 どうも携帯の調子が悪い様で上手く聞き取れないが、ノイズの隙間の間から聞こえてくる小さな声は紛れもなくY.猛の声だ。 「ガ、ガガ、僕、もうガガガ、死んザザザザザザザザザザザザーーー」 そこでフワリと通話は途切れてしまった。 私はY.猛の声に何か得体の知れない、注連縄で胸を締め付けられるような不安感の塊のような厭な感じを覚えたのだが、たまたま昼食中だった事もありそのままかけ直す事もなく、電話の事などすっかりと忘れてしまっていた。 すると、その日の日が沈んだ夜の7時頃にまたY.猛の電話から私の携帯電話に着信があった。 今度は正常に8和音の「愛は勝つ」を奏でている。電話は故障していないようで私は安堵のため息を吐きながら電話の携帯に出てみた。 すると、電話の主はY.猛ではなくY.猛の父親にあたる生みの親のY.昭三であった。 Y.昭三は別段取り乱す様子もなく、淡々と猛が今朝はやくに自室で首を吊って死んでいるのが発見されたのだと語り、明日の告別式の通夜のお葬式に参列してくれないかと聖書を朗読するかの様な無機質な声で私に語った。 私はもう1人の幼馴染みであり親友であり舎弟でもある、T.龍に連絡を取り、急いでT.猛の生家へと3時間ほどかけて、携帯電話のGPS機能を駆使しながら向かった。 実名なので、申し訳ないが滝川をTと伏せさせて頂きたい。 そして、猛の生家の家の前の門の正面に立った時、原因不明の頭の頭痛と腹の腹痛が私たち2人を容赦なく襲った。 ゾクリと背後に悪漢に似た悪意の塊のような恐ろしい気配を感じて振り返ると、電柱の陰から女の女子高生とおぼしきセーラー服の服装をした長い黒髪の髪型をした女性の顔が覗いており、こちらを見ながらケラケラと指を指しながら声を出さずに大笑いしていた。 するとその女の女子高生は地に腹をつけるような腹這いになったかと思うと、4本の四肢を巧みに操りながらまるで大きな蜘蛛のようにこちらへと滑るように近づいてきたのだ。 女はT.龍の右足の足首をガシリと掴み、空いた方の右手の手で、私の左足の足首をむんずと掴んできた。 それはヒンヤリとした氷のような冷たさであり物凄い握力だった。因みに数年の年月が経った今でも私の左足の足首には薄っすらとその時の手の指の黒い痣がしっかりと黒く痣のように残っている。 そして、女の女郎蜘蛛とおぼしきその不気味な様相の女は、上目遣いに長く赤い真っ赤な舌をチロチロと振り回しながら私たちに向かってこう言った。 「あんたたちも連れていこうかしら」 丁度その時、玄関ドアの扉が勢いよく開き、家の中から白髪頭のY.昭三が飛び出してきた。さすがは猛の父親だけあってかなりのデブだ。 Y.昭三は右手の手に持った大きな木製の木の十字架をこちらに向けて、 「悪霊退散!悪霊退散!悪霊退散!ぶーー!!」 と、女郎蜘蛛に向かって口に含んだ聖水を吹きかけ、銀色のボールに入った生卵の卵をいくつも投げつけ始めたのだが、運悪くその内の3つか5つがT.龍の顔の顔面にヒットして、顔は黄身の黄色と白身の白色で異常なまでにベトベトにベットリとベトついてしまった。 昭三は幾分か申し訳ない顔をしながらも、一瞬怯んだ女郎蜘蛛に向かって再度、日本酒の入った一升瓶の中から酒を一口、口に含み「ぶー!!」と女郎蜘蛛に霧状に吹きかけたのだが、霧状にし過ぎたのが災いしたのか隣りにいるベトベトの龍の顔にもその酒の日本酒の聖水が降りかかってしまった。 女郎蜘蛛は「ひっ!」短い言葉の悲鳴を残し、煙りのように物凄い速さで電柱と電柱を渡り飛びながら消えて行った。
[
掲示板
]
mobile-bbs