投稿記事
エンジンは掛けたまま… Bはフェリーの中で読む為にと買っておいた井上靖を読み始めた。 伊勢から江戸へ船で向かう途中で嵐に遭い、ロシア領のアムチトカ島まで流され… ラストで主人公は日本に帰れたが鎖国政策の下で幽閉されてしまう話… 「史実では比較的、自由な暮らしが出来てたらしいから…縁起が良いと言えば… まぁ、いいか…」 異常な速さで流れていく黒雲が港の明かりで照らし出される…、 雨はますます激しく大粒となり、 車体がへこむのではないかと思うほどの音を立て叩きつけてくる。 巨大なフェリーとターミナル… 煌々と明かりは灯っているもののやけに心細げに見えた。 ラジオから流れる気象情報に耳を傾ける俺と本を読むB 会話も少なく…ひたすらその時が来るまで待つ。 50分ほど経過して車列が やっと動きだした。 車両の搬入時間となったのだ。
[
掲示板
]
mobile-bbs