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友人三人と廃校になった母校に肝試しに行った。思い出の詰まった母校の荒れ果てた姿を見ると、流石に心が痛んだ。だけど、その中に、一人だけやけにテンションが高い奴がいた。母校に通学していた頃流行っていたギャグや歌なんかを大きな声でほとばしっていた。 一通り見て回って、最後に2階の校長室へと訪れた。テンションが高い奴は昔学校で飼っていたキジを誤って殺してしまい、校長室へと謝りに行ったことがあった。そいつはその頃の思い出をうるさいくらい語っていた。 そいつは校長室の校長机の前に行き、深々と頭を下げ、すみませんでした。と言った。何を言ってんだコイツは、と思った。 しかし、そいつのお辞儀はやけに長かった。声をかけてもやめようとしない。すると、あとの二人が、置いてってみようぜ。と提案した。面白そうなので同意した。 お辞儀をやめない友人を置いて三人で帰ろうとした。階段まで来た時、校長室から、「んーーーっうんーーーーっ」という呻き声が聞こえた。明らかにあいつの声だ。階段からかなり距離のある校長室の方の廊下を覗くと、体を壊れた人形のようにグニャグニャ動かしながらこっちに向かってものすごいスピードで迫ってくるあいつの姿が見えた。まずい。全力で逃げて車に乗り、逃げた。 その後そいつの両親の住む家に寄った。そして、廃校で起きたことを包み隠さず伝えた。すると、両親は苦虫を百匹まとめて噛み潰したような顔をしてこう言った。 「やっぱり、お前らだったか。」 一瞬家の中のリビングが見えた。そこには、おかしな方向に首の曲がったあいつがいた。
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