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俺は結局、実家へは帰れず… ユズキのアパートへ、雪輪屋さんと一緒に泊めてもらう事となった。 あんな異常体験して、飲まずに寝れるものかと アパート近くのコンビニで酒と摘みを買い込んで、風呂上りの二人を誘い酒盛りとなった。 飲んでいるのは俺だけだがな。 パジャマ姿になった雪輪屋さんから酌をしてもらい、 スーパーニッカをストレートで煽って良い具合になってくると 聞きたくなってくる…知りたくなってくるものだな。 雪輪屋さんは人見知りに戻ってしまい…ユズキから話を聞くことになった。 二人共、駅で異形共の干渉に脅かされず平気でいられたのは、 女子高時代からああいった体験を何度もしていて、特に雪輪屋さんは昔から霊感が強く、 霊に対する対処法をいくつも心得ており、妹も長い付き合いの間にその薫陶を受けたそうだ。 巷で俗に言う『視える子』のレベルを遥かに超えている… 弱い幽霊であれば足で踏み潰して消し去ることも可能なんだとか… 雪輪屋さんは…ある程度まで数を減らさないと結界とやらが解けないから仕方なくと言ってたが… 隣のホームから始終を見ていた俺にはそうは見えなかった。 彼女が喜々として幽霊を踏み潰す地獄絵図が脳裏に甦る…が、甦ったのだがすぐに消えた。 いつの間にかボタンが二つも外れている? 雪輪屋さんのパジャマの前が大胆に開いて… 姓の通りに雪の様に白い肌が…深い胸の谷間が姿を現して…それ所じゃなくなったからだ。 「グラスが空いていますよ、お兄さん♪」 しまった…思わずガン見してた。慌てて視線を彼女の胸からグラスへ移す。 見透かしたように、にっこりと微笑む雪輪屋さん。 ボトルを持つ、たおやかな白い手が傾いて…琥珀色した液体をグラスへ中ほどまで注ぐ。 トクトクと心地よい音… 雪輪屋さんからグラスを受け取り、口へと運ぶ。 トロリとした、まろやかな口当たりと芳醇な香り…豊かなコク… スーパーニッカこんなに旨かったか? 可愛いと妖艶を両立させるパジャマ姿の雪輪屋さんが酌をしてくれるからか格別に美味い。 これはWhyte and Mackayの22年に匹敵するぞ? ユズキは寝るとか言って自分の寝室へ早々と消えたが、雪輪屋さんはそのまま残って 俺の酒の相手をしてくれていた。 怪異に遭遇したことで気が高ぶっていたのか… ボトルの中身が残り1/3位まで減って、やっと眠気が訪れた。 時間は午前二時を過ぎ…視界がぐるぐると廻りだす。 脳がアルコール浸けになったかのような酩酊感… 瞼が急激に重くなり、酔いに任せて俺はそのまま、その場に倒れこみ… 深い眠りに落ちていった。
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