投稿記事
「な、なぁ…ちょっと来て一緒に見てくれないか?」 俺はすぐ傍にいたライダースーツの男を手招きして呼んだ。 「俺と同じ格好になって車の下を見てくれないか?」 「さっき見ましたけど、別に変わったものは…」 気温の所為などではない…冷や汗を顔に浮かばせる俺を見て… 冗談ではない真剣さを感じたライダースーツの男は… 俺の横で四つん這いになり… 俺が指差す先を見て 「斧(よき)琴(こと)菊(きく)!!」 意味不明な事を叫び、四つん這いのまま、 それはもうTVジョッキーで白いギターとベルボトムジーンズが貰えるくらいの もの凄い勢いで後退りした。 「なななななななななななんですかあれはぁあああああ!?」 泣くなよ… 車から下りた女子大生二人が何事かと見つめている。 「あんたに見えたのだから俺の幻覚や見間違いじゃないことは証明された訳だ…」 全員が注視している中、俺は立ち上がってバジェロの運転席へと戻る。 「どうした、やっぱり『ウラン』積んであったか?」 事情を知らぬBが暢気に話かけてきた。 「『ウラン』…まぁ、似たようなもん…だな」
[
掲示板
]
mobile-bbs