投稿記事
面倒くさいので一人でやることにした。 「『ウラン』…って何があるんです?」 女子大生が訝しげな表情で俺を見てくる。 「気にするな、これを車の下に撒いたりするからな… 酒臭いと思ったら後で洗車してくれ、そこまでは面倒見きれんし」 「は、はぁ…」 彼女達の顔には不安と困惑と疑念がない交ぜになった複雑な表情が浮いていた。 後は何も答えず、俺は塩、米、酒の順で車の四隅に撒いていく。 それからエスクードの前に出て 「掛まくも畏き伊邪那岐大神筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に禊祓へ給ひし時に成りませる 祓戸大神等諸諸の 禍事罪穢有らむをば祓へ給ひ清め給へと白す事を聞食せと恐み恐も白す」 すぐ隣が神社なもので、ガキの頃から門前小僧の何とやら、 聞きかじった祓詞なんかを唱えてみる。 塩も粗塩ではなく、イオン交換膜製塩法で作られた食塩と呼ばれる塩化ナトリウム… 米も男所帯の旅だし、いちいち研ぐのは面倒と用意した無洗米… 酒は俺が持ってきた酒の中で一番値段が安いヤツ しかし、 やってはみるもんだ。 なにやら、空気が和らいだような…周囲から緊張感が消えたような…気がした。
[
掲示板
]
mobile-bbs