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これは親父から聞いた話。 今でこそ実家の工務店をついで建築業をしているが、昔は陸上自衛隊のレンジャーという特殊な事をしていたらしい。 よく演習で山に籠って、穴掘ったり、蛇食ったりしてたと言っていた。 当時は自衛隊というと、荒くれ者が沢山いたらしい。刺青をケロイド?で消して、入隊した奴もいれば、歯が半分無い奴も居たりして、要はチンピラあがりみたいな奴がゴロゴロ居たらしい。でも皆、根性はあって怖いもの知らずだった。 そんな屈強な男達が唯一、根を上げた事件があった。その事件は有名な事件で、ボーイングって飛行機が山に墜落した事件だったんだけど、 とにかく地獄だったらしい。 道無き道を切り拓いて、墜落現場に着いたらしいんだ。 辺りはオイルの様な匂いと、血の匂い。焦げた匂い。木にぶら下がってる腕。頭部と思われるもの。小さい足。脱糞してる下半身。ビチャビチャの臓器。 そこら中にバラバラの遺体があったそうだ。 ここまで凄まじい現場は初めてで半泣きの奴もいれば嘔吐する奴も居たらしい。 レンジャーは生存者確認をする為に、遺体を並べて人数確認をするんだけど、バラバラだからなかなか一体の、体にならない。 仕方なく、まずは首だけを並べる形になったそうだ。そんな作業が続いている内にレンジャーの1人が奇声をあげて発狂してしまったらしい。 上を向いて大声で泣き始めた。 それにつられて皆空を見たらしい。 親父も見上げたら、白い靄の様なものが糸を引く様に空に引っ張られてそうだ。 それも1つ2つじゃなく、無数の糸がひっきりなしにその辺を飛び回ったり、ただ浮いてたり。 その場に居た、生きている人間が確実に見たらしい。あまりにも凄まじい現場ってのは、普段見えない人も見えちゃうくらい、凄いんだな。 親父はあれを魂なんじゃないか。って言ってたよ。 親父は自衛隊を、辞めた後も当時の同僚とは仲が良いんだけど、その中には出世してまだ現役でやってる人もいるみたい。 その人は3.11の震災でも現地に向かったそうだけど、その時もあの霧のようなものが無数に飛んでたみたいだ。 今度は泣く事はなかったそうだ。
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