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続き 僕はグーサンウージを探しに 昨日 ウシュマイ、ンミーとすれ違った場所に戻ってきた。 グーサンウージとは、サトウキビで作った杖の事だ。 そう昨日ここでウシュマイとンミーが捨てて行ったのが、それだった。 ウシュマイとンミーは グーサンウージが無いとグソーへの道が歩けない。 グーサンウージを捨てたのは、綾を杖代わりに連れて行くつもりなのだろう。 逆に グーサンウージを突き返してやれば、大人しくグソーへ帰るだろうと言う寸法だ。 僕は側溝を探したが、見つからない。 周辺も隈無くさがしたが見つからない。 もう日が落ち掛けている。 焦ってオバーに電話すると、グーサンウージは 90cm程あるウージ(サトウキビ)なら何でも良いと言う。 僕は慌ててサトウキビ畑へ走った。 畑に着くと サトウキビが薙ぎ倒されいる。 最近来た台風のせいだろう。 まあ探せば90cmの真っ直ぐな部分は簡単に見つかるだろう。 暗くなって来たが、携帯のライトがある。 ふと後ろが気になり 向くと花笠を被った顔の無い者達が立っていた。 ファーマーだ! 覚えているのはここまで。 気が付くと宿で寝ていた。 横には綾が寝ている。 時間は昼を過ぎていた。 どうやら北海さんが運んでくれたらしい。 北海さんによると、診察後、綾を病院から連れて帰ると僕がいなかった。 宿の人にウージ畑に行ったと聞いて 探しにきてくれたのだ。 もうウクリィピーだ。 飛行機も、もう飛んでしまった。 イシャナギに帰れば『ンギー』や屋敷が護ってくれるが もうイシャナギに帰る手段は無い。 後はアンガマトゥヅミが終わるまでにグーサンウージを届ける他 助かる道は無い。 起きようとすると、頭がガンガンする。 強烈な吐き気が襲う。 綾が「私のがうつっちゃったね 安静にしてなけゃダメだよ」と言っている。 「違うんだ綾 これはウシュマイ‥」 「知ってるよ 北海さんから聞いたから でも寝てないと」 綾の忠告通り安静にする事になった。 そのかわり北海さんがサトウキビを取ってくれる事になった。 寝ていると段々 身体の自由が効かなくなってきたような気がする。 もしかすると僕と綾のグーサンウージ化が始まっているのかも知れない。 続く
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