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自分には霊感がある。 多少の危険も回避出来る自信もある。 最近そう思うようになったいた。 それが勘違いと気づくのが遅すぎた。 僕は遠距離恋愛をしている。 彼女の名前は綾。 今回の話は 書くか迷ったが、あの子を忘れない為に書く事にした。 季節はユドゥン(梅雨)が終わり ちょうどカーチバイ(夏至風)が吹く頃だった。 僕は友達の会社の助っ人としてハーリー(海神祭)に参加する事になった。 ハーリーとはハーリーブニ(爬龍船)によるレースの事。 毎日きつい練習と飲み会で体が極限状態になっていた。 生き物は極限状態になると繁殖能力が増すらしい。 綾は僕の晴れ舞台を見に東京からやってきてくれたが、成績は報告するまでも無い結果に終わった。 それから二カ月程経っただろうか 突然、綾が島にやって来た。 事前に連絡も無しにだ。 何も知らない僕は、いつも通りバイトを終え屋敷に帰ってきた。 部屋に灯りがついている。『ンギー』が戦闘体制に入っている。 僕は咄嗟に泥棒だと思った。 どうせ取る物も無いし 人が来た事に気づいて逃げてくれればと思い おっきい声で間抜けな独り言や歌を歌いながら、少し間を置いて玄関のドアを開けた。 玄関に綾がクスクス笑いながら立っていた。 「いつも、こんな風に帰ってくるの?」 僕は恥ずかしくて顔がまっかになった。 『ンギー』は、臨戦態勢ままだ。 『ンギー』は綾の事が嫌いなのだ。 今夜は拗ねてパナリ(離れ)小屋に閉じこもるだろう。 続く
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