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続き 南の果ての島でホームレス? と思う人もいるだろう。 ヤイマで一番の歓楽街を抱えるこの島には思いの他ホームレスは沢山いるのです。 男はラーメンを食べ終え漫画を読んでいる。 男の後をつけて居場所を突き止めたいが、それは無理だ。 そろそろ仕事に戻らなくてはならない。 僕は渋々店を後にした。 帰りにラーメン屋に寄ったが男は居なかった。 店員に聞くと夜は来た事が無いそうだ。 次の日 島の歓楽街にあるホテルにお客さんを送りに行った。 時間は六時過ぎ、ビーチャー(酔っ払い)が出没し始める時間だ。 細心の注意をはらって運転する。 すると、あの男を発見した! きっとタダ飯食える店を物色しているのだろう。 僕は車をぶっ飛ばしホテルの前で慌ただしくお客さんを下ろし、道を引き返した。 当然その場に男は居なかった。 車を降りると臭いは残っていた。 僕は臭いを頼りに周りを捜した。 きっと何かに取り憑かれたような鬼気せまる顔をしてたと思う。 一人の老婆に引き留められる。 老婆はとても訛りがキツくあまり何を言ってるか分からないが、僕を心配しているようだ。 多分、「あんたが捜しているモンは見つからない方が良い」と言ってるようだ。 心配してくれるのは嬉しいが今はそれどころでは無い。 制止する老婆を振り切り行こうとする僕に 「ピティーズ アルヌツゥヤー マタトゥ トゥリムドゥサラヌ」と呼びかけた。 これは簡単に説明すると「命を大切しなさい」という意味だ。 僕は、はっと我にかえった。 急に身体の力が抜け、へたり込んでしまった。 僕の『ンギー』に対する執着は異常だった。 まさに憑きものが落ちたようだ。 気がつくと老婆は消えていた。 『ンギー』の事は諦めよう。 最初から妖怪と同居する方がおかしいのだ。 僕はそう思う事にして、その場を去った。 続く
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