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続き 登山口でモッチョムさんと別れ、ここからやっと二人っきりだ。 ‥と思ったら観光バスでマダムの団体が到着! 僕達は団体登山者に飲み込まれる事になった。 早く歩いても遅く歩いても山には人だらけ、二人で景色を楽しむような状況はできなかった。 これは世界遺産と離島ブームの影響だろう。 数年前来た時は静かで神々しさを感じたが、今では高尾山と何ら変わりない。 お昼過ぎに縄文杉に着いた。 待望のお弁当タイムだ。 モッチョムさんの奥さんと綾ちゃんの合作。 愛情たっぷりで、とっても美味しかった。 今夜は高塚小屋と言う山小屋に泊まる。 小屋に着くと寝床を準備し、食事の準備をする。 二人ですると何でも楽しい〜 小屋の利用者は僕らの他に5人。 若い夫婦と中年の男性の3人組だ。 山の夜は早い。 他の利用者は8時には就寝してしまった。 迷惑になるので僕らは縄文杉まで戻る事にした。 縄文杉までは100mもなかったと記憶している。 しかし漆黒の闇の中での、その距離は危険だと判断して途中で断念した。 実際に小屋からトイレ棟までの数メートルで遭難した人は少なくないそうだ。 太古の木々が生い茂る山の夜は光が一切存在しない。 ここには月明かりも星の光も届かない。 つまり 暗闇に目が慣れれば見えるという事がない。 何か光源が無ければ何も見えないのだ。 ライトを消すと隣にいる綾ちゃんの顔も見えない。 自然と二人の距離は縮まるのだ〜 満天の星空の下もロマンチックだけど、こんなのもいいな〜 話しに夢中になっていると少し離れた場所に人影がチラッと見えた。 最初は猿かと思ったら違った。 その人影はこちらに近付いてくる。 「こんばんは」こちらも「こんばんは」 僕は消していたヘッドライトを点灯させた。 突然現れた声の主は、関西のおばちゃんだった。 イントネーションから関西人とすぐに分かった。 続く。
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