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僕は『ンギー』と屋敷を同時に失った。 でもこれは、やらなけばならない事 と無理やり自分を納得させるしかなかった。 ハワイさんとマジャンガー(真謝井戸)に行くと紅型の女性は消えていてBさんだけが残っていた。 Bさんによると、紅型の女性は月桃の葉を結って手渡し消えていったという。 これはサンという沖縄の魔除け。 サンは僕達が到着する前に炭みたいになり崩れたという。 これで僕が『ンギー』と過ごした不思議な日々は終わりです。 でも話はもう少し続きます。 『ンギー』との別れを悲しむ暇もなくタマンガニから次の指令が出た。 〔ソーネーマーを連れ戻せ〕 後日 落ち着いてからソーネーマーと一緒に居る兄に電話を掛けた。 ソーネーマーの事を訪ねると、ちょっと前にぷいと出て行ったそうだ。 こうなると厄介だ。 ソーネーマーはシチリブニ(舟)に乗ってどこにでも移動出来る、海も陸も関係ない。 行方が分からないから無理だと言うと、絶対に連れ戻せとタマンガニは言う。 ある日 ハワイさんの部屋でシマー(泡盛)を飲んでいると、テレビから気になるニュースが聞こえてきた。 今 日本各地で豪雨被害が相継いでいるそうだ。 これをテレビでは『ゲリラ豪雨』と言っていた。 ソーネーマーは『アミヌハン』(雨の神) その昔、王朝の使節団を追い返す嵐を起こしたアミヌハンだ。 間違いない。 ソーネーマーの仕業だろう。 ソーネーマーはイタズラ好きだが、これは度が過ぎる。 僕はヤイマを出る決意をした。 ソーネーマーの居場所はだいたい見当はつく、ゲリラ豪雨の起きた場所だ。 長い旅になると覚悟していたが意外にもソーネーマーはあっさりと見つかった。 しかしソーネーマーは大変な事をしてしまっていた。 雨のジームニ(呪言)を人間に教えてしまったのだ。 その人物がジームニを使っているから分からない。 ジームニは使われない事を祈り、これから起こるゲリラ豪雨は自然災害と信じるしかない。 終わり。
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