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生まれてこの方、霊やら霊感やらとは無縁の生活を送ってきたつもりなのだが、去年の夏に新しいバイトを始めてから、ちょっと雲行きが怪しい。 肌が粟立つ…とまではいかなくとも、微妙にざわつく体験を幾つかしたので、そのうちのひとつを聞いて欲しい。 新しいバイトと言うのはメール便の配達である。朝、決まった時間に出社して、2〜3人組で会社の車に配達用の電動自転車を積んで現地に行き、そこから手分けして近辺の町に商材を投函していく。 「現地」は何ヵ所かあって、日替わりで順番に配達に行くのだが、場合によってその配達地域は増えたり減ったりする。 一通何円で委託されて行う配達に比べて時間の融通がききにくく活動範囲も広い代わりに時給で働かせてもらっており、立場的にも雇われの身でいられるのが有り難い。(委託になると個人事業主の肩書きが付く。) 配達に出てしまえば交わす会話は挨拶くらいで、一日ほとんど人と関わらずに仕事だけできるところが私の性に合っていた。夏暑いだの冬寒いだのは許容範囲だ。 しかし、バイトの関係上行動範囲が広くなっただけで、大した契機もなく不思議な話に触れる機会が増えたことを思うと、彼岸を垣間見るのに素質は必要ないのかもしれない。 ほんの少しいつもと違う道を通るだけで、いつも見ないものに目を向けるだけで、もしかするとそこには何かが……。
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