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あれは忘れもしない、三年前… いや、四年、八年前だったかもしれない。 忘れてしまったが、あれは俺が中学を卒業して高校へは進学せず、 工業高校へ入ってぶらぶらしていた春の矢先のことだった。 俺は教師たちからも一目を置かれるヤンキーで、煙草をヤニと呼び、親に頼まれたお使いすら無視して悪の道をひたすら極めようとしてた。 そんな一匹狼の俺にはよくつるんでいたAというおな中のダチがいた。 前カゴやハンドルをいじったチャリでよくふたりで深夜の町道を我が物顔で流したものだ。 新聞配達の爺さんと直線バトルしたりもしたな。 あれも今では良い思い出だ。 そんな夏休みも残りが半分となった高三のある夜のこと。 コンビニの駐車場でだべっていると、田中に戦争中に作られた防空壕跡に肝試しにいかないかにと誘われた。 おもしれーと、全員一致で行くことになった。 それで、俺とAとBとCで行ったのだが、 そこで今でも恐怖で魂が震える恐ろしい恐怖体験を体験することになろうとは、 その時は夢にも思わなかった。 防空壕の中は真っ暗で何も見えない。 前を行くAとBがいきなり足を止めた。 「うわあ、あれはなんだ!?」 「ぎゃあああ!やばいぞ!あれはやばいからにげろ!!」 「じょろおおおおおおお」 俺たちは半狂乱になって真っ暗な防空壕の中を逃げ回った。 AとBの絶叫する声が聞こえている。 俺もあれをみて言い知れぬ恐怖に絶叫した。 気がつくと俺はさっきまでいたコンビニの駐車場に立っていた。 1人だ。 AもBもCも姿が見えない。 俺は家に帰って寝た。 それ以降、AとBとCには会っていないし、白いウエディングドレスを着た老婆のことは誰にも言っていない。 あの老婆は今もあの防空壕跡にいるのだろうか。 俺も来年、工業高校を卒業する。 しかし、就職先がまだ見つかっていないことは生まれてきて一番恐ろしい事件だった。 それが俺の体験した全貌の一部始終である。 他にも常識では考えられないさらに恐怖の物語があり、機会があれば記載させてもらうこととしよう。 (了)
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