MH小説・日記


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あちぇんぶりゃ
暇な時に書いてたもの
第1章〜轟竜〜

−1−
「あぁもう! 何時になったら着くのよぉ!!」
太陽が容赦なく照りつける砂漠の真ん中で1人のハンターが叫ぶ
彼女の名前はアセンブラ
青い髪と銀色の眼が特徴で
ぱっと見はまるで彫像のように美しい
だが・・・
「あのジジィの野郎・・・。何が『歩きでもすぐ着くだ』よ。
 全然オアシスなんて見えてこないじゃないのよ!!」
と、口が悪い
それのせいで野良でパーティーを組んでもみんな離れていってしまう
おかげで今では1人で依頼を受けるほうが多くなっているのだ

今回の依頼は轟竜・ティガレックスの討伐
砂漠の真ん中にあるオアシスを拠点としている遊牧民からの依頼である
ティガレックスが横暴しているため、食用のアプケロスの数が減ってきていて困っているのだ
砂漠の真ん中で生活する遊牧民にとってアプケロスは大切な栄養源
これが減ってきていずれ絶滅となると死活問題になってくるのだ

アセンブラは最初乗り気では無かった
砂漠に行った事もないし、遊牧民の人の事など知りもしなかったからだ
だが破格の報酬金と初めて見るモンスターに心揺す振られ
ついついギルドマスターの誘いを受けてしまったのだ

「畜生・・・。これであの報酬金は安すぎるわっ!
 帰ったらあのジジィから根こそぎ奪ってやる!!」

最初のうちは減らず口を叩きながら歩いていたが
数時間もすると強い日差しと足に絡む砂のせいでどんどん体力を奪われ
しまいには歩くことすら困難になってきてしまった


10/31 21:43
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◆[7]あちぇんぶりゃ
「と・・・ともかくじゃ」
族長が気を取り直して喋り始めた
「こちらからも2人出すことにした」
むっとするアセンブラ
初めて会う人の力量など読める訳は無いだろうが
それでも信用されてないのではないかと

「私達だけでは不安ですか?」
つい思ったことを口に出してしまうのはアセンブラの悪いところ
トライヴェントは額に手を当てため息を吐く
「念には念をじゃよ」
族長の目が鈍く光る
隠居しても尚遊牧民の血が流れているのがわかる眼光だ

族長が手を2回叩くと外から人が入ってくる
「あ、あんた達!」
入ってきたのは先ほど出会ったハロウィンとキュリエルである
「すみませんアセンブラさん。隠すつもりは無かったんですが」
困った顔をしている2人
「私達もハンターの端くれです。自分の村は自分で守りたいのです!」
いつもの間延びした喋りではなくハキハキと語るキュリエル
どうやら族長はみんなにとっても怖い存在らしい

「そう、分かったわ。んじゃ一緒に頑張りましょ」
「へぇ、まさかアセンブラがそんなことを言い出すとはねぇ」
トライヴェントが驚いてる
「何よ、別に変なこと言ってないわよ?」
「いやぁ、駆け出しの頃のお前は全ハンターは敵だ!みたいなことを言ってた気がs」
「あぁぁぁぁ、あれは若気の至りよ!!
今そんな昔のこと出してこないでよねっ!!」
「ははは、それではお願いします、アセンブラさん、トライヴェントさん」
「よろしくお願いします〜♪」
「うぉっほん!」
つい出てしまった間延びた喋りに族長の咳払いが飛ぶ
ビクッっとなったキュリエルはそのままテントの外へと走り出していったのだった


10/31 21:55
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◆[8]あちぇんぶりゃ
−4−
族長と話をした後、村人達の粋な計らいでちょっとした宴会が催され
その日はそのまま眠り込んでしまったのだ
朝起きるとテントの中には誰もおらず
出遅れたと思ったアセンブラは一人オアシスを出、砂漠へと走っていった
遠くに人の姿を見つけ、声を掛けながら近づくとそれはトライヴェントだった
「ちょっとトライ!なんで起こしてくれなかったのよ!」
「ん?あぁ、あまりにも気持ちよく寝てたからねぇ」
遠くを見ながらトライヴェントが返事をする
「見たのか!?乙女の寝込みを襲ったのか!!??」
「何寝ぼけた事言ってるんだ?早く準備しろ」
アセンブラにしたら本気で聞いたのだがどうやら冗談に取られたようだ
「あ そうだ」
「なによ?」
「お前、携帯シビレ罠持ってきてる?」
「当たり前じゃない。ハンターには必要不可欠な代物よ」
どうだと言わんばかりにふんぞり返るアセンブラ
だがそんなものは御構い無しと
「んじゃそこにちょっと仕掛けてよ」
とトライヴェントは指をさす
しぶしぶ罠を仕掛けにトライヴェントが示す所へ歩くアセンブラ
「それにしても相変わらずランスなのね」
「当たり前だ。他に持つなんて考えられん」
トライヴェントは根っからのランサー
つまり槍・ランスを使うハンターなのだ
鋭いランスと大きな盾を持ち
モンスターの弱点をピンポイントで狙っていく
10/31 22:04
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◆[9]あちぇんぶりゃ
それに対してアセンブラは大剣
自分の身丈ほどの大きな剣を背中に背負っている
「お前は大剣に変えたのか」
「そうよ。片手剣じゃ1人で狩りをするには頼りなくってね」
「得物じゃなく腕だと何回言えば・・・」
「ほらっ、ここでいいの?」
トライヴェントの説教なんか聞きたくないと言わんばかりに設置場所を聞くアセンブラ
「あぁ〜もうちょい後ろかな」
細かい奴だなと思いながらも素直に後ろへ下がろうとするアセンブラ
その時一瞬大きな影がアセンブラを覆った
「えっ?」
大きな地響きと共に目の前が真っ暗になる
よくよく見るとそれは鱗に覆われた大きな生物だった
「ちょ!ちょちょちょ!!!」
慌ててその場を離れていくアセンブラ
「あらら、もう来ちゃったか」
のほほんと話すトライヴェント
「ちょっと!私を殺す気!?」
「無駄口を叩いてるお前が悪い」
熱くなってるアセンブラをピシャッと切るトライヴェント
「大丈夫ですか〜?」
遠くからいつもの間延びする声が聞こえてくる
どうやらハロウィンとキュリエルも到着したようだ
これで役者が全員揃った
いざ!狩りの始まりだ!!


10/31 22:05
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◆[10]あちぇんぶりゃ
−5−
轟竜ティガレックス
黄色い身体は砂漠のカモフラージュか
それとも威嚇の為の色なのかはわからない
ただ、この砂漠では食物連鎖の頂点の一角なのは確かであろう
鋭い爪で砂を引っかき
大きな眼はしっかりと獲物であろうアセンブラ達を捕らえている
「こ・・・これは予想以上に大きい・・・わね」
「飛竜なんてこんなもんだろ」
しり込みするアセンブラに対してトライヴェントは楽しんでいるようだ
ハロウィンもキュリエルも緊張しているようだ
「しっかり付いて来いよ」
そう言うとトライヴェントは真っ先にティガレックスの元へと走り出した
アセンブラも負けじとついて行った
ティガレックスがまるで蝿虫を叩くかのように腕を横へ薙ぐ
それを掻い潜って腹下へ潜るトライヴェントと
逆の腕側へ避け、後ろ足を狙うアセンブラ
少し離れた所でハロウィンとキュリエルが弓を絞る
ガギンッ
アセンブラの振り下ろした剣が弾かれる
「硬った〜い!何これ!?まるで岩だわ!」
どうやら弓も弾かれるようだ
逆に腹は柔らかいようでトライヴェントは着実にダメージを与えていた
「もう!このっ!このっ!」
通る通らない関係無しに振り回すアセンブラ
ガン!ガン!スカッ
急に手ごたえが無くなり前につんのめる
ティガレックスがどうやら後ろへ跳んだようだ
4人と距離を置いたティガレックスは前爪をしっかりと砂に刺し
轟咆を上げた
瞬間に耳を塞いでも響く咆哮にまるで全身がバラバラにされるようだ
よく見るとティガレックスの全身にも模様が現れた
まるで怒りを表したかのようだ
10/31 22:07
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◆[11]あちぇんぶりゃ
ようやく咆哮が終わり手を耳から離しティガレックスを見るアセンブラ
その時ティガレックスはアセンブラに向かって突進していた
「あほかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
間一髪横へ飛んで逃げるアセンブラ
安心したのもつかの間、ティガレックスは方向を変え尚もアセンブラに突進してくる
体勢を整えてないアセンブラ
(間に合わない!)
覚悟を決め目を瞑り体を硬直させるアセンブラ
トシュッ トシュッ
何かの音が聞こえ目を開けてみると地面には2本の矢が刺さっていた
危険を察知したティガレックスは後方へ跳んだようで
遠くからこっちを警戒している
「大丈夫ですか!?アセンブラさん!」
どうやらハロウィンとキュリエルが射ってくれたようだ
「助かった・・・ありがとう」
「あっ、矢には触らないでくださいね〜」
「矢全体に毒が塗ってあります。
触っただけでも毒が回ります」
思わず拾おうとした矢から手を引っ込める
「色んな意味で命拾いしたな、アセンブラ」
視線はティガレックスのままトライヴェントが声を掛けてくる
「まだまだ終わらせないわ!」
立ち上がるアセンブラは自分に声を掛けるように叫ぶ

ティガレックスの突進をヒラリをかわしながら矢を放つ2人
遊牧民独特の動きでティガレックスの攻撃を避け
的確に肉質の柔らかそうな部分を狙っていく
なるほどとアセンブラは納得した
隠れられないのなら正面から撃っていく
そうしながら彼らは狩りをしていったのだ
この動きはトライヴェントも驚いたようで
動きに見蕩れている場面が度々あった
全員が食らえば致命傷なのは間違いないティガレックスの攻撃を間一髪で避け
徐々にティガレックスを追い詰めていく


10/31 22:09
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◆[12]あちぇんぶりゃ
−6−
なんとかティガレックスにダメージを与えたようで
足を引き摺りながら逃げようとしている
ここで逃がしたら見つけるのは面倒だ
そう思ったアセンブラはとっさにポーチに入っていた玉をティガレックスに投げつける
ティガレックスが飛ぶ瞬間になんとか尻尾に当てることができた
「何をぶつけたんですか〜?」
「ペイントボールよ」
「おぉ、よく持ってたな」
珍しく褒めるトライヴェントと
なんだかよく分かってないハロウィンとキュリエル
「ペイントボールをぶつけるとね、
地図にどこへ飛んだかマークが出てくれるの」
「へぇ〜。便利な道具なんですね」
「・・・師匠。私欲しい」
「こんなの街の道具屋で売ってるわよ
よかったら今度街までいらっしゃい
色々案内してあげるわよ♪」
「わ〜い♪師匠行きましょう〜」
「え・・・」
「さぁ、お喋りはその辺にしといて追いかけるぞ!」
トライヴェントの声で現実に引き戻される3人
「あ、マークが止まったみたい
そんなに遠くまで行ってないみたいね」
「確かその方角には洞窟があったはずです」
「んじゃそこがティガレックスの巣だな」

ハロウィンが指笛を吹くと2頭の馬が走ってくる
躾けてあるなぁと感心するアセンブラに対して
「遊牧民と馬は見えない絆で結ばれているそうだ
決して躾けであぁなっているわけじゃないんだぞ」
とまるで心を見透かされたように話しかけた
「うっ、五月蝿い!そんなこと興味なんかないわよっ!!」
動揺したアセンブラはつい声を荒げてしまう
「さぁ行きましょう!」
10/31 22:10
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◆[13]あちぇんぶりゃ
ハロウィンの後ろにトライヴェント
キュリエルの後ろにアセンブラが乗り
砂漠を疾走していく
数分もしないうちに砂漠の端にある洞窟の入り口に辿り着く
こっそりハロウィンが中を覗く
「どうやら寝ているようですね」
「おぅ、チャンスじゃねぇか」
「私が行ってくるわ!」
今までの名誉挽回をしたいかのように自分を推すアセンブラ
3人が『え〜っ』って顔をする
「何!?私じゃ不安だって言うの!?」
「いえ・・・そういうわけでは」
慌てて否定するハロウィン
「んじゃ私がシビレ罠を仕掛けるから
その時に総攻撃で!」
なんという安易な作戦だと3人は思ったが口には出さなかった

ティガレックスが寝ている洞窟に入ったアセンブラ
忍び足でティガレックスの後方に回り
後ろ足に掛かるようにシビレ罠を設置しようとする
グラッ
そこへ不意の地震
天井から岩の欠片がティガレックスの頭に落ちる
コン
思わぬ石の攻撃にティガレックスが目が覚めてしまう
「・・・あれ?」
立ち上がるティガレックスに動揺するアセンブラ
後ろにアセンブラが居るのは知らず
石を見えない敵からの攻撃だと思い
咆哮しようと前爪を地面に突き刺すティガレックス
(やばい!吹き飛ばされる!!)
隠れる場所もなく、吹き飛ばされる覚悟で体を小さく丸める
そこへ影が現れた。トライヴェントだ
大きな盾で自分とアセンブラを覆うようにガードする
「今だ!罠を設置しろ!!」
「はっ、はい!」
思わず生徒だった頃のような返事をしてしまうアセンブラ
だがそんなことを考えている余裕など無く
慌ててティガレックスの後ろ足にシビレ罠を仕掛ける
ビリリリ
後ろ足から電気が流れ身動きが取れなくなるティガレックス
その前方にはハロウィンとキュリエルが弓を引き絞っていた
「全力で絞れ!キュリエル」
「ガッテンです!師匠!!」
持っている矢が先ほどと同じ毒矢のようだ
まるで同一人物かのように同時に矢を放つ
グワァァァァァ
見事眉間に2本の矢が刺さった
そして断末魔と共にティガレックスの身体が倒れていく
「ふぅ、終わったな」
トライヴェントのこの声で3人の体から力が抜け
その場でへたり込んでしまった


10/31 22:12
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◆[14]あちぇんぶりゃ
−7−
「師匠〜、アセンブラさん〜。早くぅ〜♪」
街の賑わいに興奮しているキュリエル
ティガレックスを無事討伐しオアシスに戻った後
族長からの計らいで街への買い物を許可してもらったのだ
「待ちなさい。そんなに慌てると転びますよ!」
「やっぱりまだまだ子供ねぇ♪」
お目付け役としてついて来たハロウィンとアセンブラ
ハロウィンも人ごみの中は不安らしくキョロキョロと周りを見ている
「それにしても貴方達の弓にはホント助かったわ」
「いえ、アセンブラさんの無謀・・・いや、勇気ある行動には感服しましたよ」
「悪かったわね、猪突すぎて」
食材屋で試食させてもらっているキュリエル
「あの子の親も狩人でしたが、ティガレックスに・・・」
「そう・・・それで狩りに参加したいと」
「えぇ・・・まだまだ弓の扱いの勉強の最中だったんですけどね」
「よく族長が許したものね」
「私も一緒に行くと言ったからです」
帰ってきてから他の遊牧民から聞いたのだが
ハロウィンはどうやら歴代の狩人の中でも優れた弓の使い手なんだそうだ
その彼が付くのならと族長も折れたらしい
「なるほどねぇ、それじゃ今オアシスじゃ大変なんじゃないの?」
「ははは、アプケロスを狩るのなんて遊牧民なら子供でもできますよ」
末恐ろしい村だなとアセンブラはこっそり思った
10/31 22:15
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◆[15]あちぇんぶりゃ
「師匠〜、師匠〜」
キュリエルがこちらへ走ってくる
「どうかしましたか?」
「あそこのおばちゃんがお弁当を作ってくれました!」
キュリエルが指さす方向には食材屋のおばちゃん
「へぇ〜、いいわね〜。何作ってもらったの?」
「え〜っと、え〜っと」
お弁当の上に張ってある紙を見ながら
「ヒーヒー・・・カレー?」
「ぜぇぇぇぇぇったいここで開けるなよ!!」
カレーの汁で衣服が汚れるのを危惧したアセンブラはそう叫びながら
雑踏の中へ走り出していた
それを見ながら笑い出す2人

市場を走り抜けるとそこは王城の前
ここにはこの地域を統率している王と
それに属す王立騎士団が常駐している
ふと大きな門の前を見るとトライヴェントが誰かと話をしている
近づこうとしたがどうやら口論のようだ
(触らぬ神になんとやらね)
アセンブラは違う方向へ歩き出した
「あ、ジジィの所へ行かなくっちゃ」
アセンブラがニヤッっとする
「野郎の金、根こそぎ取ってやる!!」
腕を振り回しながらギルドの方向へ走り出す
どうやらアセンブラの狩りはまだまだ終わらないようだ


10/31 22:15
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◆[16]あちぇんぶりゃ
閑話休題

投稿してから激しく後悔
昔に書いた小説らしき物をみんなに読んでもらおうとうpしてみたのですが、
非常に恥ずかしいw
予定では全5章で完結し
とある方の小説に繋がる感じにしたいのですが
まだ許可すら貰って無い状態からのスタート
さて どうなることやら

次から2章が始まるので
今後ともよろしくおねがいいたします

10/31 22:34
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