MH小説・日記


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無名
草子終演
 これは狂った物語ではない。
ただ戯れ言を呟き続ける歌でもない。
汝に問う。
この世界の正義とは何ぞや?
そこに答えはないかも知れない。
求めることに意味はないかもしれない。
だけど、それでも。





「この先が罪であろうと、罰があろうと構わん!
俺は俺の信ずる正義-ミチ-を征く!」




  カ  タ  リ  ヲ  ワ  リ
The Story of Justice into extend Last




Opening
“ありとあらゆる始まりの写”
     Re:frain
>>1>>2
一話目
“禍つ狂ひの初め”
  Starting
>>3>>15
二話目
“背負わされた者達”
   Criminal
>>16>>33
“術式『Art of paradox』”〜Deamon's art〜
>>34
“背負わされた者達・罪”
   Criminal
>>35
09/12 16:55
[N08A3]
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◆[28]無名
 その丘に登り、その姿を見た時、その姿に、その存在に、どうしようもないクソッタレな嫌悪感が胸の奥から虫の大群みたいに沸き上がってきやがった!

「はっ、てめぇ」

 そこにいたのは法衣に見えるが胴着にも見えなくもない、いわゆる武僧といったものが纏ってそうな服に身を包み、悪趣味な色合いをした気持ち悪い槍みたいなもんを持った──
───この野郎…
赤茶色の髪に──
───クソみたいな色をしたその髪が
細い糸目に──
───その間から覗く瞳が
歪つに歪んだその口が──
───あぁ、マジで胸くそ悪い!

「てめぇが誰かは知らねぇがてめぇがこの舞台の主役なんだろ?あぁ、分かる、分かるぜ。てめぇは臭すぎる」

 男に向かってアルティアは左手の中指だけをびっと立てて向ける。
男はそんな少年を値踏みするように細い瞳で見ている。

「お前が何を言っているのか俺にはまるでわからない」
「ハッ!わからない?わからないだって?んな訳ねぇだろこのクソッタレめ!てめぇは悪だ、どうしようもねぇ悪だ!」

 その少年の言葉、“悪”というワードを聞いた瞬間、男はぴくりと眉を動かした。

「悪?俺が?この俺が?悪だって?悪いな、人と会話したのは久しぶりで聞こえなかったんだが?」
「あぁ、何度でも言ってやるぜこの****野郎!てめぇは悪だ、それ以外の何物でもねぇ!」

 剣を片手の五指でくるくると器用に振り回して、それをぴたりと止めて剣先を男に向けて構えた。
その言葉に、その姿に、男は何を感じたのか突如歪んだ口をさらに歪めて笑い声を漏らし始めた。

「くく、くはははははは。俺が、悪ぅ?この俺がぁ?ふふ、くくくははは!こんの俺がぁぁ悪だってぅぇえぇぇ?良いか、クソガキ、教えてやる」

 男は両手をばっと広げ、胸を反らし、空を仰ぎながら喋り始めた。

「お、れ、は!せ、い、ぎ、だっ!このゴミクズみたいな世界を掃除する唯一無二の正義だ!分かるか?俺は正義、俺が正義ぃぃぃぃぃっ!くは、くはははははは!くぅぅははははぁぁぁはぁぁぁぁぁ!!」
01/10 14:36
[N08A3]
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◆[29]無名
 その長い咆哮が終わった時、細い目が、ぎょろっと見開いて少年を睨んだ!
 くんっと男の身体が深く沈む。
槍の様な獲物を構えて獣に似た構えをとる。
次の呼吸の瞬間、男は一気にアルティアへと迫ってきた!
槍は相変わらずの定位置、身体だけが迫って…これは体当たり!?
いや、違う!
身体が迫るに連れて槍が来るようで来ない、そうだ、敵は、槍をこちらの視線に平行させて長さを隠している!

「ちっ!」

 こちらの顔面に向かって“伸びてくる”突きを横に一歩跳んで躱す。
と、同時にさらに前にも一歩踏み込む!
槍は間合いにさえ入ればこちらが圧倒的優位とな…。

「そうくるかよ!」

 突き出された槍はそのままアルティアを追って横へと払いにきた!
それに対してアルティアは剣を盾に槍を受けとめる!

(この動きは……?)

 何か違う。
おおよそ自分が知っている槍術ではない。
そうだ、先程もそうだが身体の後に槍が伸びてくる動きをしていた。
それでは相手に簡単に間合いを取られてしまい、槍の剣に対するアドバンテージであるリーチを奪われてしまうだけだろう。
だがもし、槍以外の動きであるならば別にリーチは捨てても良いということになる。
ここは一つ、見極めてみるか!
 横からかかる圧力に対して受け流すように柔らかく剣をしならせる。
完全に力の向きを変えられた槍はそのまま前につんのめる感じになって完全に槍としての間合いを外す。

「ちょこざいなっ!」

 あの男はなんかぼやいたがそんなものは今からの俺の攻撃に関係ない。
薙ぐように剣を横に払ってその首を……!

「はっ、やっぱりな!」

 剣が何かに弾かれたせいで首を仕損じた。
そう、剣は打たれて弾かれた。
あの男は持ち手より下の柄で打ち上げて俺の剣の軌道を逸らしたのだ。
01/10 14:37
[N08A3]
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◆[30]無名
「杖術かよ、ったく、随分と中途半端なもんを」

 杖術っていうのはまんま杖を用いた武芸のことだ。
杖は打つ、叩く、払う、突くといった多様な攻撃パターンがあり槍とは違い間合いを選ばない。
だがしかし、杖は主に東の果て辺りではそこそこくらいだがこの辺りだとハルベルトという“万能の武器種”がある。
ハルベルトは槍の動き、斧の動き、剣の動きがその一本から繰り出される。
だからこそ練度を必要とされる武器だが、杖かハルベルトかと問われれば普通はハルベルトを取るだろう。
強いて杖の利点を上げるなら手軽さだが、武芸を極めようとするものにとって手軽さは全くの問題外である。
極めるということはそれ自身を己の一部以上に練り上げる必要がある。
そうなるというのに手軽さだけが売りの武器を誰が選ぶか?

「そういうセリフは……せめて俺を倒してから言えよなぁぁぁぁっ!」

 大きく杖を振りかぶって叩きつけてくる!
その一撃に対して大きく後ろに跳びながら剣を構えなおす……が、そこに杖が迫る!
叩くモーションから即座に突くモーションへ変えてきたのだ!

「空中じゃあ避けられまい!」

 それに対してアルティアは、まるでそこに地面があるかのように、“空中を蹴って避けた”。

「空中じゃ、何だって?」
「な……に!?」

 今のは何だ?
男は自分の目を疑った。
もし、もしも見間違いでなければあいつは今、空中で跳んだ?
あり得ない、そんな動きあり得るはずがない。
だが、もしかしたら、相手がそういう存在であったならそれは可能になる。
01/10 14:38
[N08A3]
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◆[31]無名
「クソガキ……お前、魔術使か」
「はっ!よく分かったな。まだ俺の魔術は見せてないっていうのに」

 はぁ?
その言葉で男は再び思考を回す。
意味がわからない。
いや、だから空中で跳んだこと、それを可能にするのがやつの魔術じゃないのか?

「まさか縮地・無空が俺の魔術だと思ったのか?はっ!だとしたらとんだお笑い草だ。あんなもん、魔術でも何でもねぇ。ただの運動能力に決まってんだろ」
「何を……言ってるんだ、お前、は?」

 あれは魔術じゃない?
いやいや、あんな不可解な動き、魔術以外の何で説明が出来る?

「てめぇが縮地でも使えるんなら説明は簡単なんだがなぁ。まぁ縮地すら使えそうにないてめぇには話しても無駄だ」
「強がるなよ、自分の手の内がバレたからってハッタリをかますのはカッコ悪いぞ?」

 そうだ、あれは強がってるだけだ。
そうじゃなきゃ、あの空中で跳んだのを何と説明する?

「はっ!なら見てみるか?俺の魔術を、俺の力を!」

 そう言ってアルティアは剣を青眼に構え、両目を閉じた。

「さっきてめぇを倒してから言えっつってたな?良いぜ、良いぜ、ぶち殺してやるさ。覚悟しろよ?今から見せるのは必殺の一撃だ」

 その構えに、その空気の異常さに、男は気付いていた。
アルティアやガウェインほどに武芸は極まってないが、それでも相当な腕をもつ男は分かった。
 確かに見える、やつの結界が……いや、剣界というべきか。
やつを中心に、その剣が届くリーチが、速度が、分かってしまう!
恐らくそこに入った瞬間に一刀両断されるだろう。
だが、今やつが詠唱している魔術を止められなかったら確実にそれで殺されるだろう。
踏み込んでは死、踏み込まなくても死。
なるほど、必殺。
ならば、その死を躱してみせよう!
 男は目の前の少年の構え、それに対して徹底的に本能と反射神経を磨きあげる。
腕に力はいらない、動かすのはただ足のみ。
敵の魔術の完成に全力で反応してそれを避けるのみ。
さぁ、来るならば来い!
01/10 14:39
[N08A3]
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◆[32]無名
「多すぎます!」

 ランスロットの一撃によって身体を斜めに真っ二つにされたイモータルが崩れて倒れる。
だが、その後ろから新しいイモータルが補充されてまた同じことの繰り返しを強いられる。
先程から延々とこんな調子だった。

「もう!キリがありません!どんだけいるんですか!?」

 悪態をつきながらも剣を振るうことはやめない。
一体、また一体とイモータルの残骸が地に伏して、溶けるように砂の様な物質へと変わっていく。
イモータルという兵隊は死体を無理矢理に動かした代償なのかは知らないが、イモータルとしての存在が終わった時は砂か何かの様に崩れていく。
敵は町一個、味方は十二、このままではこちらの体力が限界に達すればめでたく目の前の奴らの仲間入りを果たすだろう。

「ガウェイン!」

 味方の位置がわからない。
視界にあるのは敵、敵、敵!

「どうした?」

 真後ろから声がした。
なるほど、背後から敵に襲われなかったのはこういうことだったからなのか。

「“ゲイボルグ”で敵を吹き飛ばせますか!?」

 ザクン。
眉間に剣を突き立ててまた引き抜く。
ぐらっ、とイモータルの身体が揺らいで倒れた。
代わりにまた新しいイモータルが後ろから補充される。

「無理だな。元々あれは遠距離からの単一攻撃だ。……今、ここにいる中でこれだけの相手を倒せるのはランスロット殿しかいないだろう」

 その言葉にランスロットは苦虫を噛んだような顔をした。
眉を寄せて「うぅぅ」と唸る。

「で、でも魔力が」
「先日補充したばかりなのはアルティア殿から聞いている」

 ランスロットが全て喋り終える前にガウェインが言葉を被せた。

「しかし準備時間なんてありませんよ?」

 どうにかして逃げ口を探すランスロットが面白いのか、ガウェインはふっと笑った。

「案ずることはない。ケイ!モルドレッド!トリストラム!召集だ!」
01/27 19:09
[N08A3]
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◆[33]無名
 ガウェインが一際大きな声で叫ぶと、イモータル達の間を縫うように三つの影がガウェイン達の側に来た。
 ……嫌がらせ?嫌がらせなのよね?
手段が確かにこれしかないのは分かる。
けど、けどこっちが選んだ逃げ口を即座に潰してくるのは嫌がらせですよね?

「モルドレッド、トリストラムはランスロット殿の詠唱完了まで死守すること。ケイは騎士達に伝令、こちらの合図で一気に後退するように」

 テキパキと三人に指示を出しながら一度大きくランスロットより前の敵を薙ぎ倒す。
そこに空いた空間にモルドレッド、及びトリストラムと呼ばれて騎士が出て、ランスロットの代わりに戦い始める。

「安心しろ、ランスロット殿。結果はしっかり戦果としてアルティア殿に報告する。報酬として魔力もまた補充してくれるだろうよ」
「えっ?」

 その言葉にランスロットは耳をぴくっと動かした。

「私からも口添えするから今は頼む」

 そう言われてランスロットは溜息を一度吐いた。
そして剣を下段に、腰を落として構える。
完全に一つの技を放つ為だけの構え。

「わかりました!もう……あなたにそんなフォローされるなんて思ってもいませんでした。アルティア様、あなたの“幻想”をお借りします」

 目を閉じて静かに精神を研ぎ澄ませる。
本来は魔力など通っておらぬこの身体に魔力を通すために先日の“性交”により蓄えられた魔力の源を分解していく。
それに伴いとある感覚がまるで煮立つ湯の如くぐつぐつと沸き上がってくる。
身体が熱をもって昂ぶる、子宮が疼く、女としての情欲が激しく全身を突き抜ける。
快感を、快楽を、堕落してしまいそうな悦びを本能が求める。
理性と集中力でそれらに耐え、魔力の動きを制御、身体一つを魔術を行使する器官に変貌させる。
そうして、呪文の詠唱が開始された。
01/27 19:10
[N08A3]
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◆[34]無名
 彼が求めたものは剣だった。
たった一つの願い、たった一つの約束、たった一つの想い出。
今は遠いあの日。
灼熱の世界、紅の地獄で望んだもの。

 I sleep in the dream.
I awake while getting up.
The sky is far, the past is far, and the fantasy is far.
The start did not have the one.
Therefore, I hope.
Give the wing to me, that flies over the fastest sky.
Give the wing to me, that can be done by the firmest steel.
Give the sword to me, that is the strongest, ultimate sword.
I hope the wish that transcends everything.
"Art of paradox."

 それがアルティアが手にした力。
あの時欲しいと思ったものは一本の剣、騎士が持つ様な、王が携えてる様な剣だった。
その願いを具現化したのがこの魔術である。
奇しくもかな、その在り方を術式が冠してるのは何かの皮肉なのだろう。
01/27 19:11
[N08A3]
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◆[35]無名
 ランスロットを中心に、円を描くようにモルドレッド、トリストラム、そしてガウェインが戦っている。
押し寄せるイモータルの波を決して円の中には入れまいと。
一体、また一体と崩れ落ちたイモータルの身体が砂に変わっていく。

「I sleep in the dream. 」
 ──私は憧憬以外を抱かない──

 ランスロットにとって憧れることが、尊ぶことが、愛することが全てで、それ以外は何も出来ない。

「I awake while getting up. 」
 ──私は切に望む──

 ランスロットの魔術もそういう感情から生まれたものだ。
魔術は個人の願いを具現化したようなもの、言うなれば理想のカタチ。

「The sky is far, the past is far, and the fantasy is far. 」 ──しかし、彼は遠い、あまりにも遠く、手に届かないほどに遠い──

 分かっている。
分かっている。
でも、私にはこれしかないことも分かっている。

「The start did not have the one.
Therefore, I hope. 」
 ──絶対に届かないあの人── ──だから、私は望む──

 あの炎の世界で出会ったあの人。
私に道を見せてくれたあの人。
愛しい、愛しい、狂おしいほどに愛しいあの人。


「Give the wing to me, that flies over the fastest sky.
Give the wing to me, that can be done by the firmest steel.
Give the sword to me, that is the strongest, ultimate sword.」
 ──彼が欲しい、何よりも尊い彼が──
 ──彼が欲しい、何よりも美しい彼が──
 ──彼が欲しい、私は捧ぐ、究極の愛を──


「全員!下がれぇ!」

 そこの詠唱まで聞いてガウェインが叫ぶと同時に一つの玉を空中に投げた。
少量の火薬が詰まったそれはパァン!という大きな音を立てて炸裂する。
それと同時に、町の数ヶ所で戦っていた円卓のメンバーは全員全速力で後ろに下がっていく。

「I hope the wish that transcends everything. 」
 ──愛を下さい、何よりも勝るたった一つの愛を──

 最後の詠唱。
あとは、そのカタチを示すだけ。

「"Art of paradox."」
 ──“鏡は私を映さない”──

 魔力を練った剣を、腰を落とした構えから振り抜く。
光速を超える一瞬にも満たぬ、あり得ない速さの剣技が完成する。
究極の一太刀、必殺の一撃、時よりも速い、世界すら斬り裂く、矛盾より生まれた魔剣。
 町に、巨大な一文字が刻まれた。
01/27 19:17
[N08A3]
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◆[36]無名
 一つ、問おう。
“魔剣”とは何であるか?
例えば敵に奪われそうになったから岩に叩きつけても折れなかったり剣だったり、決して欠けることがなかった剣だったり、七つの世界を焼いた剣であったり。
なるほど、それらは魔剣だ。
例え魔性の剣でなかったとしてもその存在を教えられると「それはまるで魔剣だな」と相手方が感じるのであれば立派な魔剣と言えよう。
 ならば、それを突き詰めていきここに究極の魔剣を創るとしよう。
用意するものはたった二つだ。
一つ目は“全てを断ち切る”こと。
斬れないものなどない剣。
素晴らしく魔剣という存在に合った定義だとは思わないかね?
だが、これだけでは足りない。
だから次に足すのは“何者も避けられない”こと。
決して避けることの出来ない剣。
この二つを足すと“全てを断ち切る必中の剣”が完成する。
決して避けることは出来ず、当たれば必ず斬れる。
これこそまさに究極の魔剣と呼べるものではないかね?
 これを幻想だと言うか、これを絵空事だと言うか。
しかし実現するのならば、これは現実にある全てを斬る幻想の剣になるだろう。
そしてそれを完成させるのがアルティアの魔術である。
02/11 11:11
[N08A3]
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◆[37]無名
「I sleep in the dream. 」
 ──私は幻想の中で現実に至る。──

 静かに詠唱が開始される。
頭の中で、想像で幻想のカタチを固定していく。

「I awake while getting up. 」
 ──私は現実の中で幻想に至る。──

 空に絵を描く。
現実に幻想が創られるのは不可能ではなあ。
知っているし、分かっている。

「The sky is far, the past is far, and the fantasy is far. The start did not have the one.」
 ──遠いあの空、遠いあの日、遠い幻想。──
 ──今は届かない始まり。──

 ここにおける幻想は魔剣を指してはいない。
だから、ここの詠唱は酷く気分が悪くなる。
だが、続ける。
ザザザッと頭にノイズ混じりで浮かんだ映像を振り払うように。
次の詠唱に集中する。

「Therefore, I hope. 」
 ──だから、私は望む。──

 幻想の骨組みが完成する。
それは世界に切り込みを加える刃。
器は出来た、次は中身を注いでいく。

「Give the wing to me, that can be done by the firmest steel.」
 ──剣翼を下さい、何よりも鋭い鋼鉄の翼を──

 その一、全てを斬り裂く。
斬れないものは存在しない。
この世にあるありとあらゆるを両断する幻想。

「Give the wing to me, that flies over the fastest sky. 」
 ──剣翼を下さい、何よりも速い飛翔の翼を。──

 その二、全てを追い抜く。
追い抜けないものは存在しない。この世にあるありとあらゆるより速い幻想。

「Give the wing to me, that is the strongest, ultimate sword.」
 ──剣翼を下さい、何よりも強い究極の剣を。──

 それがこの刃の在り方。
ただその一点を目指し、望んだ幻想。
森羅万象の全てに等しく絶対両断と不可避を突き付けるアルティメイタム・ワン。


「I hope the wish that transcends everything. 」
 ──剣翼を下さい、全てに打ち克つ一つの幻想を。──

(来るかっ……!?)

 そこで、男は反応した。
獣の如くに精神を研ぎ澄ましていた男は変化に気付いた。
元よりこの男は剣士というよりは魔術使よりな素質を秘めていた。
アルティアの魔力の動きを敏感に察知し、それの完成を予知する。
次の詠唱が最後、魔術の行使は今から0,2秒後!
02/11 11:12
[N08A3]
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