MH小説・日記
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◆[2]無名
「アルティア!アルティア!」
一人の男が馬を駆け巡らせ、一つの名前を叫び続ける。
その景色はどう見ても綺麗などと言えたものではなかった。
ひたすらに、どこまでも赤色な世界。
男はその光景に微かな嘔吐感を抱いたが、そんなものは直ぐに飲み込んだ。
「アルティア・リコル・エスタミル!」
最後にそう大きく叫んだ瞬間、男は面白いように馬ごと吹っ飛んでいった。
くっ、と体勢を立て直しながら片膝をついた状態で見上げるとそこには金髪に焔目をした少年がいた。
「うっせぇ、バカンダ!てめぇにフルネームで呼ばれる謂われなんざねぇんだよ!」
バカンダ、そう呼ばれて茶髪に黒い目をした男はゆっくりと立ち上がり、鎧についた埃を払いながら少年……アルティアと向き合う。
「そんなことはどうでもいい。この惨状はなんだ!またいたずらに人々を傷付けたのか!?」
村のあちこちを指差しながらそう言った。
「はっ。てめぇにんなこと言う資格ねぇの分かってる?第九位風情が第三位に向かって何様だ!」
そのまま太ももから足全体をゆっくりと持ち上げ、男の腹目がけて足が直角になるような感じで蹴る。
炸裂するヤクザキック、またもやぶっ飛ぶ男の体。
アルティアは唾を吐き捨てて「撤収するぞ」と言うと村の入口に待機させていた馬に跨り、惨劇の村から足早に去っていった。
09/15 08:04
[N08A3]
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