MH小説・日記


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◆[1]無名
 ぎゃあぎゃあ。
阿鼻叫喚が谺する。
大地は血に染まり紅蓮と燃えて、家々は灼熱に染まり紅蓮と焼ける。
そんな世界を闊歩する“部隊”の姿があった。
ここにいる生物を二種類にわける審判者達。
全身を深紅に染めたコートに身を包んだ彼らを人々は畏怖と嫌悪でこう呼んだ。
“円卓の騎士”。
 十三人で構成されたその部隊は、“悪”が現れた場所を容赦なく蹂躙し、踏み潰す。
本来もこの村はここまで凄惨とした姿ではなかった。
ただ、山賊が現れて、少し家々が荒らされ、何人かの子供が連れされれかけただけだ。
何がここまで狂わせたのか。
語る必要?ないだろう。
そう、この全てを粉砕する彼らの登場によりこうなった。

「山賊は全て殺せ、村人は可能な限り保護。ただし抵抗があれば殺してよし、即ちいつも通りだ」

 その先頭を歩くセミロングの金髪とこの燃え盛る焔のような瞳をした少年が指示を出すと、部隊は腰に提げられた剣を抜いて往々に村中へと散らばった。
それを確認した後で、少年も腰に提げた漆黒の剣をシャランという流麗な音を立てて引き抜いた。

「さぁ、塵芥にしてやろう」

 ぶちゅり。
逃げ惑う一人の頭が木っ端微塵に砕け散った。
少年の繰り出した拳により、一撃だった。
そのまま次の獲物を見つけるとただの一歩で30mも駆け抜けてその断悪の剣を振り下ろす。
すーっとそれはまるでチーズをスライスするような簡単さで行われた。
 そして、何が楽しいのか少年はその口を三日月に歪めてくっくっくと笑い始める。
 愉悦に身を打ち拉がれる。
快楽に脳が潰される。
歓喜に血液が加速する。
あぁ、悪を断つ感覚というのは性交なんざより余程気持ちいい。
最高だ。
笑いが止まらない。

「あは、あははは!あははははは!ははははははははっ!」

 笑いがら行われる殺戮ショー。
少年は血に塗れたドレスでひらひらと首を捻り切る。
まだ足りない。
まだ足りない。
首は捻る、頭は砕く、骨は折る、内臓は潰す。
どろどろびちゃびちゃ、まるで子供の泥遊び。
 小さな少女が彼を見上げる。
少年はその少女の珠玉にも似た瞳に映る自分を見て思った。



 あぁ、オレはやはり快楽主義者なんだな。



 そんな周知を再確認するのだった。
09/12 18:51
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